読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日本に絶望している人のための政治入門

不毛な左右対立を超えて

・リベラル系メディアが行ってきたことを逆の立場から繰り返すことを保守派はしてはならない。それは必ずしも少数意見に従うべきということではない。けれども彼らを阻害したり、罰を与えることではあってはならない。

戦後リベラリズムの担い手としての統治利権

・米国における戦後の公民権運動の成功も、大戦と朝鮮戦争で勲功を立てた黒人兵士たちの存在抜きにはおぼつかなかったでしょうし、英国の国民皆保険制度も労働者階級の動員の対価としての側面がある。国家総動員の時代におけるリベラリズムの大義の大きな推進量は実は戦争だった。

民主主義を機能させる非民主的要素

・現代の民主主義は、その時点の国民の意思をダイレクトに反映すべきという直接民主主義的な部分と、政治のプロである代議士や政党に世論を解釈し熟議を踏まえた意思決定を委ねるという間接民主制の部分とを併せ持っている。

地方創生について

・日本の田舎は中央に対して卑屈。そこには健康的ではない被害者意識と劣等感がある。だからこそ、中央とのパイプを持つ人材が存在感を発揮しますし、地方のことを思いやるリーダーについ希望を託してしまう。しかし、この構造こそが地方を永遠に中央の下部組織にとどめおく結果となっている。つまり、石破大臣が自らの支持基盤に報いようとするならば、中央が地方の政策をさまざまな仕組みを通じてコントロールするという現在の構造を変えるわけにはいかなくなってしまう。

国家vsグローバル経済

・グローバル経済がそのまま労働者に影響しない最大の理由は規制。それは、例えば、国民国家が定める最低賃金、雇用や待遇や、安全に関する諸々の労働基準など。世界をグローバル経済の側から見ると、その最大の障壁は国民国家である。国民国家は、国民の最低限の福祉と国民の間に一定の公平性を担保するために規制を作ってきた。そして、その規制の枠組みをグローバル経済が飛び越えようとしている。だから、世界を国民国家の側から見れば、最大の脅威はグローバル経済という状況が生じている。

共和主義に基づくフェミニズム

・個人主義に立脚するフェミニズム運動は二つの致命的な弱点がある。1)個人主義に立脚する以上、当然個人の選択の自由を尊重せざるを得ず、日本に色濃く残る専業主婦層の権利を取り込む必要がある。世代的・文化的・階層的な分断があり、結果的に日本のフェミニズム運動は相対的に裕福で、文化・教養層に多い専業主婦の権利を重視する形で発展する。2)より本質的な出生率の低下という共同体にとって死活的な利益とぶつかった時。出生率の低下は、日本という共同体の中長期的な存続と健全性を考えた時最も深刻な脅威だが、この脅威が女性の社会進出いん伴って深刻化してきた因果関係は否定しにくい。

フェミニストの多くは女性の個人的権利に戦っているため、運動の副産物である出生率の低下には関心が低い。そして根っこが保守的な男性リーダーが無神経に「産む機械」云々というから、カチンとくる。自由の追求を最優先する個人主義の極大化が共同体の死活的利益とぶつかる場合は、結局は人々に自由をもたらさないということが、経済分野における金融危機の教訓だったとすると、ここにも類似の構造がある。(サブプライムローン)

ここでは共同体の利益を重視する発想=共和主義に基づくフェミニズムが重要になる。

子供を産みたいかは個人の選択の自由であるということを明確にした上で、子供を産み育てる家族には最優先でサポートをする。

Gゼロの世界

相手の利益を理解する洞察力、相手との利益を共有する土台となる経済力、行ったことは行う・約束は守るという信頼感は、厳しい世界を生き抜く日本の財産。